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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/30 14:36, 提供元: フィスコ

きちりHD Research Memo(6):モール・郊外型レストラン業態の拡大、地方創生・DX・海外事業を育成(1)

*14:36JST きちりHD Research Memo(6):モール・郊外型レストラン業態の拡大、地方創生・DX・海外事業を育成(1)
■きちりホールディングス<3082>の今後の見通し

2. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、集客力の高いモール・郊外型レストラン業態の積極出店を継続し、併せて未来の成長戦略として地方創生事業、採用DX事業、海外事業を育成することで中長期的な成長を目指す。コロナ禍前の業績をけん引した都市型ダイニング業態も、条件に適う物件が見つかれば出店する方針は維持するものの、当面は好調なモール・郊外型レストラン業態の拡大に注力する。

(1)レストラン業態の成長戦略
モール・郊外型レストラン業態の成長戦略として、従来推進してきた大型商業施設への出店拡大に加え、ロードサイド型となる焼肉業態「肉の満牛萬」の出店拡大も強化する。同社が出店する商業施設は、売上規模が200億円以上であること、施設内にシネコンが入っていること、カラオケなどそのほかの集客の仕掛けがあること、大規模駐車場(2千台以上)が整備されていること、主要駅隣接施設であることの5つの項目のうち、2つ以上の条件に合致する施設を対象としている。同社の試算では、関東、中京、近畿の3大都市圏だけで、条件に合致する商業施設は130施設以上にのぼる。これら既存の商業施設に加え、今後開発される新規商業施設もターゲットとなる。

「いしがまやハンバーグ」「VEGEGO」の主力2業態は坪当たり売上高でトップクラスの実績を残しており、取引先によっては商業施設の新規開発段階から出店交渉が行われるほど継続的な取引関係を構築している。そのため、1つの商業施設内に複数の業態を出店する可能性も十分にある。前期末で67店舗だった商業施設内店舗数は、4〜5年後に100店舗以上に拡大する可能性もある。1店舗当たりの平均売上高は80〜100百万円と見込まれるため、店舗数が2倍になれば単純計算で60億円前後の売上増加要因となり、店舗数の拡大による業績の拡大余地は大きい。

(2)地方創生事業
地方創生事業については、外食チェーン運営で培った商品開発、調達・流通等のノウハウを活用し、「地場産業の発展」と「日本全体の活力向上」への貢献を目指す観点から、ふるさと納税支援業務を2023年4月より敦賀市で開始した。現在は京都市や石垣市、登別市など合計7つの自治体から受注している。受託業務は、主に返礼品の企画・開発、発送・清算管理、ポータルサイトの運営・管理、問い合わせの受付代行などふるさと納税に関わる一連の業務であり、売上高は受託額の一定割合を計上する。なお、令和6年度のふるさと納税サポート実績は、取扱寄付金額で約120億円にのぼる(市場全体では前年度比約10%増の1兆2,728億円)。

同社は飲食事業で培った「商品プロデュース力」「事業効率化ノウハウ」「課題解決コンサルティング」の3つのバリューを仕組み化して自治体に提供することで、競合先との差別化を図り、さらなる拡大を目指す。「商品プロデュース力」では、国内外の取引先ネットワークと連携し原材料の調達や商品加工を支援するほか、パッケージデザインやイベント参加などのPR支援を行う。「事業効率化ノウハウ」では、ネットショップや食品スーパー、百貨店、給食企業向けに事業者の商品の販路拡大を支援するほか、購買計画策定や物流の改善提案などのコスト削減サポートも行う。「課題解決コンサルティング」では、専任の担当者が各事業者を定期的に訪問し業務をサポートするフォローアップ体制を整備し、事業者の成長機会・雇用創出などの取り組みも支援する。発送・清算管理業務や受付代行業務なども既存事業のノウハウを活用している。こうしたノウハウを持つ企業は少なく、特に地域特産品の需要拡大に寄与する商品開発力やプロデュース力は競合先との差別化要因となり、今後の成長が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《KM》

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