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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/30 14:05,
提供元: フィスコ
ファンペップ Research Memo(5):皮膚潰瘍向け治療薬の試験結果は2027年上期に判明の見込み
*14:05JST ファンペップ Research Memo(5):皮膚潰瘍向け治療薬の試験結果は2027年上期に判明の見込み
■ファンペップ<4881>の主要開発パイプラインの動向
2. SR-0379(皮膚潰瘍)
皮膚潰瘍(褥瘡※及び糖尿病性潰瘍、下肢潰瘍)の治療では、皮膚組織の欠損部分に感染の疑いがある場合、感染リスクを見極めるための観察期間を必要とする。その後、組織再生のための治療(細胞増殖因子の投与や湿潤療法の実施)を行うため、治療期間の長期化することが課題となっていた。「SR-0379」は、抗菌作用と創傷治癒促進効果(血管新生作用)を併せ持つため、観察期間を短縮できる。これにより、現行よりも短い時間で治療を開始することで患者のQOL向上につながる効果が期待される。褥瘡になると、患者本人だけでなく介護者にも負担がかかるほか、治療期間が長くなれば治療代や入院費用など経済的負担も増すため、治療期間の短縮は強く望まれている。
※ 褥瘡とは、寝たきりや車いす生活などによって、体重で圧迫されている皮膚の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびる、ただれる、傷ができる症状のことで、一般的に「床ずれ」と言われている。
2022年11月に発表された第3相臨床試験※の速報結果では、主要評価項目である「簡単な外科的措置に至るまでの日数」において、プラセボ群と比較して日数を短縮する傾向が見られたものの、統計学的な有意差は得られなかった。ただ、事後部分集団解析を実施したところ潰瘍サイズ(長径×短径)36cm2未満の被験者(N=101)では、プラセボ群が外科的措置までの日数で27日要したのに対して、「SR-0379」は22日間と5日間短縮し、有意差(p=0.027)も確認できた。このため、ライセンス契約先である塩野義製薬と協議を行い、潰瘍サイズを36cm2未満に限定して追加の第3相臨床試験(02試験)を実施する方針を決定した。予定症例数は142例でプラセボ対照二重盲検比較試験(1日1回、28日間投与)とし、01試験と同様に外科的処置に至るまでの日数をプラセボ群と比較する。2025年3月から開始し、8月時点で48例の組み入れが完了するなど順調に進捗しており、2027年上期にはトップラインデータが発表される見通しだ。結果が良好であれば、承認申請を行い2028年内の上市を想定している。前回試験の結果(外科的措置の5日間短縮)を再現できれば承認される見込みで、弊社でもその可能性は高いと見ている。なお、海外市場での開発方針については国内の試験結果を見て塩野義製薬が判断することになる。
※ 外科的措置(縫合、植皮、有茎皮弁)が必要な重度な患者(入院患者)120例を対象に、プラセボ対照二重盲検比較試験を2021年6月より実施した。
高齢化社会の進展に伴い褥瘡の原因である「寝たきり患者」や糖尿病性皮膚潰瘍患者の増加が予想されるなか、「SR-0379」は社会ニーズにマッチした製品と言える。「SR-0379」は誰にでも使えるスプレー式でベッドサイドに置けるため、安定性や利便性の面でもメリットがある(既存品のスプレータイプは要冷蔵保存)。同社は各種統計データから、皮膚潰瘍患者数を国内で約100万人(褥瘡約20万人、糖尿病性潰瘍約80万人)、米国で約230万人(褥瘡約50万人、糖尿病性潰瘍約180万人)と試算している。これら患者のうち、潰瘍サイズ36cm2未満の患者の割合がどの程度かは不明だが、01試験の結果(101/120例)から8割程度が対象になる可能性がある。
皮膚潰瘍治療薬として、現在は軟膏タイプのものから湿布、スプレータイプのものまで様々なものが販売されている。スプレータイプの治療薬である「フィブラストスプレー(科研製薬<4521>)」は、薬価が約6,900円(500μg/瓶)で、国内売上が約24億円(2025年3月期実績)となっている。国内の潜在市場は、すべての皮膚潰瘍患者で利用されることを想定すると100億円程度と見られるが、対象範囲をやや絞り込むため市場規模も数十億円規模になると予想される。同社の売上としては、一定料率をかけたロイヤリティ収入を計上することになる。なお、塩野義製薬と締結した全世界を対象としたライセンス契約では、契約総額(契約一時金、開発及び販売マイルストーンの合計)が100億円に設定されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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