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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/30 14:04,
提供元: フィスコ
ファンペップ Research Memo(4):皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験と花粉症ワクチン第1相臨床試験を開始
*14:04JST ファンペップ Research Memo(4):皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験と花粉症ワクチン第1相臨床試験を開始
■ファンペップ<4881>の主要開発パイプラインの動向
同社の開発パイプラインは、皮膚潰瘍を適応症とする「SR-0379」のほか、抗体誘導ペプチド技術で開発した乾癬及び強直性脊椎炎を適応症とする「FPP003」、花粉症を適応症とする「FPP004X」、乾癬を適応症とする「FPP005」の4品目がある。そのほかにも複数の開発候補品を抱えている。
花粉症ワクチンの第1相臨床試験は順調に進捗、2026年下期に結果発表予定
1. FPP004X(花粉症)
「FPP004X」は、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究により同社が創製した開発化合物で、抗体誘導ペプチドである。IgEを標的タンパク質としており、IgEはアレルギー性疾患の発症・進展に関与する重要因子で、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)が代表的な疾患として知られている。
2024年3月に、塩野義製薬と全世界を対象とした独占的開発及び商業化権のオプション契約を締結し、契約一時金として3億円を受領した。オプション権が行使された場合には、ライセンス契約一時金及び開発・販売の進捗に応じたマイルストーンとして最大178億円(契約一時金の3億円を含む)を獲得する。さらに販売額に応じたロイヤリティ収入も得ることになる。なお、契約一時金3億円は、オプション権の行使が確定した段階で事業収益として計上する。また、契約金の一定率はメディパルホールディングス<7459>(以下、メディパル)に支払う契約※となっている。
※ 2016年2月に、同社はメディパルと抗体誘導ペプチドプロジェクトの研究開発支援を目的とした提携契約を締結し、研究開発協力金を受領した。メディパルは本研究から創出された抗体誘導ペプチドのうち一定数の対象開発品を選定したうえで、同開発品から得られる契約一時金及び開発マイルストーン収入の一定率を同社から受け取る契約となっている。「FPP004X」も選定品目に含まれている。
同社は花粉症を適応症とした「FPP004X」の国内第1相臨床試験を2025年3月に開始した。本試験は健康成人を対象とするPart1と花粉症患者を対象とするパート2で構成され、「FPP004X」またはプラセボを反復投与(筋肉内投与)した場合の安全性、忍容性、免疫原性(抗体産生)を評価する。パート1では健康成人を対象に、コホート1(低用量、4週間間隔で2回投与)、コホート2(高用量、4週間間隔で2回投与)、コホート3(高用量、4週間間隔で3回投与)を実施した。続いて2025年8月からはスギ花粉症患者を対象に、パート2のコホート4(高用量、4週間間隔で3回投与)を開始し、同年9月7日時点で予定症例数93例の登録を完了している。パート2ではスギ花粉曝露室を用いた試験を実施し、人工的に一定濃度の花粉を飛散させた環境下でスギ花粉に対する反応を確認する。臨床試験の結果は2026年下期に判明する見通しであり、良好な結果が得られれば塩野義製薬がオプション権を行使して第2相臨床試験に移行する可能性が高い。その場合、2026年12月期にオプション契約一時金3億円と本ライセンス契約一時金が事業収益に計上される見込みだ。また、同社は2024年10月に塩野義製薬とワクチンの効果を増強させるアジュバントの共同研究も開始しており、「FPP004X」の開発過程で活用する可能性がある。
国内での花粉症の患者数は年々増加傾向にあり、有病率は1998年の19.6%から2019年には42.5%まで上昇し、約5千万人規模の患者数となっている。有病率の高さや症状の激しさ、低年齢化が進んでいることから、政府は国の社会問題と位置付け、全国でスギの伐採計画や花粉の飛散防止対策などをまとめた※1。花粉症を含むアレルギー性鼻炎の医療用医薬品(内服薬)の国内市場規模は約1,700億円(2019年度)、市販薬で約400億円(2022年)と推計されており、現状はさらに市場規模が拡大していると考えられる。治療薬としては、抗ヒスタミン薬を中心に多くの内服薬や点鼻薬、点眼薬が販売されているが、重症例では抗IgE抗体医薬品の「ゾレア(R)」※2が処方されている。
※1 内閣府「花粉症対策の全体像」(2023年5月30日)資料。
※2 主にアレルギー性喘息治療薬として販売されていたノバルティス ファーマ(株)の抗IgE抗体「ゾレア(R)」は、抗体医薬品として初めて花粉症への適応追加承認を2019年12月に取得した。「ゾレア(R)」の全世界での販売額は2024年で約43億米ドル。
「FPP004X」の対象患者の設定は塩野義製薬との協議で決定するが、同社はワクチン効果の持続期間が長いという特長を生かし、花粉症のシーズン(飛散時期)前に1〜2回投与すれば、シーズンを通して症状を緩和できる新しい治療選択肢の提供を目指している。中等症から重症患者を対象として開発に成功した場合、国内での売上ポテンシャルは数百億円規模になると弊社では見ている。今後、開発が順調に進めば2032年ごろの上市が予想される。また、海外では主にアレルギー性喘息治療薬として用いられている「ゾレア(R)」の世界売上高が6千億円を上回る規模に達していることから、国内の開発に成功すれば塩野義製薬が海外でアレルギー性喘息用治療薬として開発を進める可能性もあり、成長ポテンシャルは大きい。2026年に発表が見込まれる臨床試験の結果が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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