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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/08/21 11:01, 提供元: フィスコ

マクセル Research Memo(1):中期経営計画MEX26は初年度から順調

*11:01JST マクセル Research Memo(1):中期経営計画MEX26は初年度から順調
■要約

1. 電池や粘着テープ、光学部品など幅広い分野で事業を展開する電気機器メーカー
マクセル<6810>は、電池や粘着テープ、光学部品など様々な製品を製造販売する電気機器メーカーである。エネルギー、機能性部材料、光学・システム、ライフソリューションと幅広い分野で事業を展開、エネルギーではリチウム一次電池やボタン電池、全固体電池など各種電池を取り扱っている。機能性部材料では様々な粘着テープ、機能性材料、塗布型セパレータ、工業用ゴム製品などを、光学・システムではヘッドランプレンズなど車載光学部品や半導体関連組込みシステムを、ライフソリューションではシェーバーなどイズミブランドを中心とした理美容家電や電設工具などを製造販売している。セグメント別売上高構成比(2025年3月期)は、エネルギー28.2%、機能性部材料24.5%、光学・システム27.7%、ライフソリューション19.6%と良好なバランスになっている。

2. 創業以来培ってきた「まぜる」「ぬる」「かためる」、アナログコア技術が強み
同社製品の強さの背景には、創業以来培ってきた「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」という独自のアナログコア技術がある。長年電池の材料を混ぜてきた経験による「混合分散」は、異なる大きさや硬さ、粘度の材料を均一に混ぜることができる技術である。また、表面を均一に塗布する磁気テープの技術から進化した「精密塗布」により、数ミリからナノメートル単位まで均一な厚さできれいに高速で塗ることができる。カセットテープの高精度なハーフ成形技術を起源とする「高精度成形」は、精度の高い成形部品を量産できる技術だ。こうした技術を単一または複合して利用することで、デジタル技術だけでは到達しえない複雑で繊細な領域のモノづくりを実現している。

3. 角形LIB※の生産終了などポートフォリオ改革により営業利益は着実に成長
2025年3月期の業績は、売上高129,806百万円(前期比0.5%増)、営業利益9,318百万円(同15.3%増)となった。自動車市場の成長鈍化や顧客による半導体関連の在庫調整の影響はあったものの、医療機器用など一次電池の需要が順調に拡大、円安も追い風となった。ただし、ポートフォリオ改革による角形LIB生産終了に伴う特別損失などの計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な減益となった。2026年3月期の業績については、売上高136,500百万円(同5.2%増)、営業利益10,000百万円(同7.3%増)を見込んでいる。ポートフォリオ改革の一環でアナログコア事業群に積極的に投資を行って成長を加速させる方針で、そのため2026年3月期は既に、報告セグメントの変更や村田製作所<6981>からマイクロ一次電池事業の譲受の決議などを実施した。

※ LIB(Lithium-Ion Battery):小型軽量で大容量なリチウムイオン二次電池。なお、一次電池は使い切りタイプ、二次電池は充電して繰り返し使うことができる電池。

4. 注力3分野に経営資源を重点配分、2027年3月期に営業利益12,000百万円を目指す
同社は2030年までの長期ビジョンの第2フェーズとして、3ヶ年の中期経営計画MEX26(2025年3月期〜2027年3月期)を推進している。「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」の注力3分野・10事業に経営資源を重点的に配分し、最終年度の2027年3月期に売上高150,000百万円、営業利益12,000百万円、ROIC7.5%、ROE10.0%を目指している。また、PBR1.0倍超の達成を念頭に、総還元性向を重視する株主還元強化策も実施している。MEX26初年度の進捗については、成長事業への積極投資やポートフォリオ改革を進めたことで利益成長を実現したため、おおむね順調と言える。ただし、ポートフォリオ改革による特別損失計上によりROEが低下したことに関しては、改革効果の実現と資本効率の向上によって改善する方針である。

■Key Points
・独自のアナログコア技術で全固体電池や産業用粘着テープなどを幅広く製造販売
・角形LIBの生産終了などポートフォリオ改革により営業利益は着実に成長
・営業利益12,000百万円を目指す中期経営計画MEX26は順調なスタート

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)


《HN》

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