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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/04/17 11:51,
提供元: フィスコ
クオルテック Research Memo(1):2025年6月期中間期は主力の信頼性評価試験が堅調
*11:51JST クオルテック Research Memo(1):2025年6月期中間期は主力の信頼性評価試験が堅調
■要約
クオルテック<9165>は大阪地盤の品質技術サービス会社だ。自動車部品や電子部品の不良解析・信頼性試験などの受託を行う信頼性評価事業を中核として、レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工事業、その他事業の3軸で事業を展開している。完成車メーカーをはじめとして、多くの大手企業から同社のトータル・クオリティ・ソリューション(TQS)が評価されている。
1. 2025年6月期中間期の業績概要
2025年6月期中間期の業績は、売上高1,928百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益156百万円(同8.2%減)、経常利益155百万円(同0.1%減)、中間純利益92百万円(同18.6%減)と増収ながら減益となった。期初の業績予想に対する進捗率は、売上高48.2%、営業利益40.6%、経常利益42.0%、当期純利益33.1%となっている。同社の主要顧客である大手企業の3月決算期の関係で業績ピークが例年第3四半期(1〜3月)となることを考えれば、中間期としての業績推移は順調だ。売上面は、特に第2四半期が四半期単独で初の10億円を突破するなど好調に推移した。主力の信頼性評価事業は、信頼性試験及び断面研磨の受注が順調だった。またパワーサイクル試験については、主要顧客の受注が好調で増収となっている。微細加工事業では、レーザ加工事業で量産品加工の需要が大きく回復、新たなセグメント対象の表面処理技術事業においても受注が好調で前年同期比増収となった。その他事業ではバイオ事業に関する試験の受注が好調で増収となり、全社ベースでの増収に寄与した。利益面では売上総利益率は29.7%(前年同期比0.3ポイント増)と上昇したが、人件費及び研究開発費の増加により営業利益は減益となった。人件費は今後の成長戦略に向けた営業部門などの体制強化、研究開発費は次世代半導体を中心とした研究開発に伴う費用であり、期初事業計画にて予定されているものである。経常利益の減少幅が少ないのは前年同期の上場費用剥落、中間純利益の減少幅が大きいのは主に前年同期にあった保険解約返戻金(8百万円)の反動、及び投資有価証券の評価損(10百万円)によるものである。
2. 2025年6月期の業績見通し
2025年6月期の連結業績は、売上高4,000百万円(前期比10.4%増)、営業利益385百万円(同1.0%増)、経常利益370百万円(同0.9%増)、当期純利益280百万円(同3.7%増)と増収増益を見込んでおり、期初の業績予想を据え置いた。主力の信頼性評価事業及び微細加工事業を中心に拡販を進めることで、前期と同等の増収を計画している。営業利益についてはパワエレテクノセンター建設に伴う関連費用の支出のほか、成長投資としての人件費及び研究開発費の増加により前期並みの計画としている。2025年6月期は拡販体制強化策として、熊本営業所を開設した九州地区での半導体業界をターゲットとする販路拡大や、東海地方の自動車業界の拡販推進、微細加工分野の案件開拓を行っている。また高い需要増が見込まれるパワー半導体の試験需要に対応するためのパワエレテクノセンターの本格稼働や検査設備の増強を行い、業績拡大に向けた取り組みを進めている。売上面では、信頼性評価事業については前期比10.2%増の3,520百万円を見込む。パワー半導体向けの試験であるパワーサイクル試験の受注増を中心とした成長を図る。微細加工事業については、前期比14.3%増の437百万円を見込む。レーザ加工事業や試作品加工事業での需要回復傾向を背景とした受注増が継続することに加え、表面処理技術事業も安定して収益増を確保していること、さらにガラス基板などの新しい素材加工分野での新たな需要獲得を見込んだ。その他事業については前期比8.7%減の42百万円を見込む。バイオ遺伝子検査需要の回復待ちの状況の継続を予想したが、上期は前年同期比31.4%増収であり、期初の見込みより回復が早まっていることから、上振れが期待される。利益面では、増収効果は期待されるものの、パワエレテクノセンター関連費用や次世代半導体関連の開発費用の増加などの要因で、営業利益としては前期比1.0%増と前期並みの水準となる見込みだ。
3. 成長戦略
同社は2024年6月期から2027年6月期の経営目標として、各事業において事業機会を確実に捉え、成長の可能性を広げる期間とし、数値目標として2027年6月期の売上高を50億円以上、営業利益率を15%以上とするとともに、設備能力を15%増強、人員を30%増強するとしている。中長期の目標としては、TQSの進化を続けることにより既存事業領域に加えて新規事業領域へと事業内容を拡大し、長期的には売上高100億円以上を目指す。同社の誇るTQSを進化させ、高度化する顧客ニーズへの対応力強化による成長を目指す。次世代パワー半導体の試験を見越した技術レベルの高度化を図るほか、信頼性評価事業以外の事業についてもターゲット市場を明確にしたうえで新規参入を進める。
■Key Points
・半導体などの信頼性評価試験の分野で自動車業界をはじめ大手企業から高い評価を得ている企業
・2025年6月期中間期は増収ながら人件費や研究開発投資増の影響で営業利益は減益
・2025年6月期は増収増益見込み。パワー半導体向け試験を中心とした受注増を予想
・成長戦略としてトータル・クオリティ・ソリューション(TQS)の高度化を推進
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《KM》
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